リノベーション・サブリース事業について

当団体では、胡屋地域にて「サブリース」という取り組みを行っております。

これは、主に不動産業界で使用される専門用語のことで、一般的な賃貸契約のように物件を持つ大家さんと物件を借りたい借主が直接契約するのではなく、間に不動産業者が入る契約のことをいいます。

もう少し詳しく説明すると、まず物件を貸したい大家さんと不動産会社が賃貸契約を結びます。

ここでは、5万円で借りたことにしましょう。そして物件を借りた不動産が会社が物件を借りたい借主へ7万円でかしたとします。

すると、2万円が不動産会社の利益になるというビジネスモデルです。

これだけ見ると、不動産会社が右から左で汗水たらさずに儲けているように見えますが、実は大家さんにとってもメリットがあるビジネスモデルなのです。

と言うのも、サブリースはあまり入居者が入らないアパート等で行われることが多く、大家さんとしては部屋を借りて欲しい。しかし、借り手が見つからない。

この状況に対し、不動産会社がアパートを一棟丸ごと借り上げて、リフォームなどを行い物件の価値を向上させることで借り手を募っているのです。

その結果、大家さんとしては不動産会社に貸すことで安定した賃貸収入が見込めるというわけです。

では、なぜ我々のようなNPOがサブリースを行っているのか。その答えはシンプルで上記のような現象が起こっているからです。

この街では空き店舗になった物件を貸したいという人はいるものの、なかなか借り手が見つからないというケースが少なくありません。

なぜなら、商店街を形成した歴史的背景があるからです。商店街は基本1階を店舗に資、2階や3階を住居スペースとして暮らしながら商売を営んできました。

そのため、トイレなどの水回りは1階に設置せず、2、3階の住居スペースを利用したり、階段も1階の店舗から上がっていくという、いわゆる内階段という作りが基本的です。

そう、もともと誰かに貸すという予定がないための建築設計のためのこの作りが店主の高齢化などから空き店舗になった際、響いてきました。

例えば、1階の空き店舗を貸したいとしても、水回りがない。あるいは内階段のため借り手がよりつかなかったりと、商店街だからこその設備上の課題が出てきたのです。

その上、胡屋地域は築50年以上の物件も多く老朽化という課題もあります。

じゃあ、リフォームすればいいのでは?と思うかもしれませんが、リフォーム業者を見つけるところから、調整、そして金額面など、労力と金銭的な大きな普段がのしかかるため、どうしても気軽に進めることが出来ないという背景があるのです。

これは単に大家さんと借主の話だけではなくこの現状が長く続けば街として空き店舗が増加しシャッター街へ繋がっていくという危機があります。

そこで、胡屋地域の空き店舗解消を目的とした「まちづくり型のサブリース」を展開しております。

具体的な話を申し上げると、空き店舗を貸したい大家さんと話し合い、私たちが主導となり物件の価値を向上させるリノベーションを行います。

その後、大家さんから相場より少し安い値段で賃貸を私たちが借り、料金を上乗せし借りたい人へ貸出します。

私たちはリノベーションの費用をその差額で回収していくというシステムです。

微力ではありますが、少しでも地域に貢献できればと取り組んでおります。