クリエイターが活動しやすい街

沖縄市中央パルミラ通りにあるアートギャラリーsoranoeでオーナーの与儀勝之さん、奥様のひろみさんと談笑していたときのこと。

ご存知の方が多いと思うのですが、与儀さんは琉球イラストレーションとして活動しており、あのイオンライカム内にあるユニクロに作品を描いていたり、沖縄県が発行している広報誌の表紙を手掛けたことがあるなど、かなりすご~いお方。

おこがましいのですが、そんな方と色々お話しさせてもらっていた際、ぶっちゃけて聞いてみたんです。

「コザから出ていくとか考えていたりしますか?」と。

というのも、与儀さんの活動についてお聞きしていると、「コザに居続ける理由ってあるのかな?」と、単純に思ってしまったからです。

すると、帰ってきたのが「いや~離れられないね」という言葉。そして話は続くのですが、キーワードは「クリエイターが活動しやすい街」でした。

「僕たちはね、作品を販売するにあたって印刷をしないといけないんだけど、サイズが大きくなればなるほど普通のプリンターでは出来ないんですよ。その印刷を歩いてすぐそこのビーチラインの野田さんにやってもらってるの」

「野田さんがいないと、いまの私たちはないもんね」と、ひろみさん。

与儀さんが続きます「最近はクッションカバーを作りたいと思ったから、裁縫に強いご近所でムームーを取り扱っているラ・セーヌの平良さんに相談しにいったりね」。

与儀さんの熱量が伝わるかのように、ひろみさんも続きます「あとは近くに銀天版店さんってところが出来たので、梱包やトートバックにロゴをつけたりする目的でシルクスクリーンっていうものを作ったり」

「最近は行けてないんだけど、Startup Lab Lagoonさんもあるもんね」と、与儀さん。

「だから離れられないんですよ(笑)」笑いながら嬉しそうに話すひろみさん。

総括すると、与儀さんと、ひろみさんいわくコザのまちはクリエイターが活動するのに必要なものが揃っているというのです。

この話を聞いたとき「なるほどな~」と、思わずにいられませんでした。もちろん、最近はネットがあるので探せばそのような作業を請け負ってくれるところを見つけるのは難しくないはず。

でも、クリエイターだからこそ、「こうゆう仕上がりにしたい」という強いこだわりがあるはずで、ネットだけだと細かいところを詰めるのに若干ハードルがあると思うんですよね。

例えば、印刷ひとつとっても紙の厚さから、紙質など様々な要素があるわけで、ネットを介したコミュニケーションだとその部分の擦り合わせが難しいのかなと。

その点、顔を合わせて発注できるっていうのは、やっぱり安心出来ますからね。

それに、さきほど紹介した店舗で言えば徒歩で行ける距離感なので「こんなことやりたい!」と、パッとアイディアを思いついたときに気軽に相談できるのは、確かに活動しやすいなと。

それも物理的な距離の近さがあるからこそだなと気づかされました。

であれば、コザを「クリエイターが活動しやすい街」としてPRするのもアリじゃないかと思ったのでした。